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イリムティー島のジャングルを5日掛け縦走し、辿り着いた浜。 ジャングルを抜けた者しか、立てない場所だ。

テントを設営し、服を脱ぎ捨て、銛を手に海に潜った。
何匹か魚を突いて、ご機嫌で海から出ようとしたら、数十b離れた所に、男が立っていた。
素っ裸の黒人だ。手には大型のナタを持っている。 どう見てもイカレてる!!
僕の本能は逃げろ!と言っている。 しかし、何の装備も無しに逃げれない。 一番近い集落まで5日掛かるのだ。

僕は銛を引いて臨戦態勢を取った。 黒人は僕に気づき、近づいて来る。
「よう!どっから来たん?」
イカレた黒人だと思った、そいつは真っ黒に日焼けしたモジャモジャ頭の関西人だった。

彼の名は武人(仮名)。この浜で一人で一年間過ごすという荒行に挑戦中だ。 装備はナタ一本のみという強者。

夜は武人とシマー(泡盛)を酌み交わした。
「一人で寂しくないのか?」と聞くと
「友達なら沢山いる、、、みんな死んでるけどね‥」 意味深な言葉に僕はゾッとした。

浜は波の音しか無い。 僕達の会話の間には波の音だけ‥ いや何か聞こえる!? ヒソヒソ話声? ザッザッ足音?
この浜には僕達しか居ない。 ハズ?

武人は僕に「その三合瓶を、あそこに置いてやれ」と指示した。
僕は指刺された少し離れた岩の向こう側に三合瓶を置いた。

その後は幻聴(?)は無くなり楽しい夜を過ごした。 
朝になって三合瓶を回収しようとしたら、未開封の瓶が空になっていた。
武人は「アイツら酒好きやから…」とニヤリと笑っていた。

東洋のガラパゴスと言われる、この島には不思議な事が起こるようだ。

日本一周中に体験した実話です。
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